石けんで感染予防ができる! 2020/12/9
感染を引き起こす代表的な病原体のひとつがウイルスです。厚生労働省では、新型コロナウイルスの感染症予防の基本に『石けん手洗い』『アルコール手指消毒』などを推奨していますが、その理由は、ウイルスの手指からの感染を防ぐことができるからです。
人が感染する要因の多くは、手に付着したバイ菌やウイルスが手を介して鼻や口、目から体内に入り、感染します。手は見た目には汚れていなくても、細菌やウイルスが付着している可能性があります。手指を石けんと流水できれいに洗い流す習慣を身に付けることで感染する機会を少なくすることができます。
石けんのはたらき
石けんは油になじむ(親油基)と、水になじむ(親水基)からできています。
こうした水と油の両方の性質をもち、汚れを落とす洗浄効果のあるものを界面活性
剤と言います。
石けんの界面活性剤の分子構造
石けんはどのような作用で汚れを落とすのでしょう?
・水と汚れはなじみにくく水だけで洗おうとしても汚れはなかなか水の中に溶け
出しません。
・石けんで洗い始めると、界面活性剤分子が汚れ(油など)となじみやすい親油基
を汚れの方に向けて汚れを包み始めます。
・石けんの界面活性剤が汚れと皮膚の隙間に入って汚れを浮かしていきます。
・汚れが石けんの分子で覆われてしまうと水になじみやすくなり、次第に皮膚から
離れ、水の中に乳化または分散します。
・石けんの界面活性剤に包まれた汚れは、すすぎによって洗い流されます。
石けんは主成分の界面活性剤の働きで汚れを落とします。
石けんで正しく手を洗うことは、ウイルスの感染予防に対しても効果的です。