〈365PROJECT〉クラウドファンディングに挑戦
365 PROJECT とは。
「365」は「暮らしの数字」です。
わたしたちはほぼ365日石けんのことを考えています。石けんの泡立ちでその日の気分が変わることもあります。
お中元やお歳暮に固形石鹸を贈ることも多かった時代。私たちの暮らしの中に、あたりまえのように固形石鹸は存在していました。しかし現在では贈り物の文化や洗浄剤の多様化が進み家庭での固形石鹸の需要は極端に少なくなってしまいました。しかし固形石けんは、ただ顔や身体を洗うだけのものではなく、その向こう側になにか温かいものを感じる人も多いのではないでしょうか。
忘れ去られてしまいそうな石けんの良さをもう一度再認識してもらい
石けんのある暮らしも楽しんでもらいたい。
365projectはそんな思いで石けんの普及活動を行うプロジェクトです。
石けんの未来に向けて
365projectの意義は石けんの未来に向けた具体的な道筋を明らかにし『石けんのある暮らし』を目指すことにあります。何が障害となり何が必要なのかをメンバー間で洗い出し活動の方向性を決めています。
小さな子供たちに石鹸体験をしてもらって石鹸に興味を持ってもらいたい。
そんな思いで始めた、小学校やこども園での石けん手洗い教室、夏休み石けん工場見学、手作り石けん教室。地域の野外イベントでも石けん泡立て体験の実施を積極的に行ってきました。
そんな中で気付いたのは、石けんを泡立てていると皆んな笑顔になることです。
石けん泡立ての手間は悪いことばかりじゃない!ということ。
皆様石鹸の復刻
365プロジェクトの意義を踏まえ最初に行ったことは「皆様石鹸」の復刻への取り組みでした。当時の資料を集め、処方の検討やパッケージを作り上げるのに相当な時間がかかりましたが、プロセスのひとコマひとコマが感慨深く、こだわりを持った製品に仕上がりました。
皆様石鹸と銭湯の出会い
2020年に復刻した皆様石鹸は「石けん手洗い教室」や「石けん工場見学」「石けん手作り教室」などの石鹸普及活動のシンボルに『名詞代わりの皆様石鹸』と、パッケージにメッセージカードを挟んで用いていましたが、ある銭湯との出会いをきっかけに銭湯専売品として発売することとなりました。
日本の銭湯文化の活性化に少しでも役立ちたいという思いで銭湯巡りトレカ「旅ふろカード」をパッケージに挟んで販売しています。1軒の銭湯から始まり続々と取り扱い店舗が増え、2024年12月に100軒に到達しています。
東京の千代の湯さんと奈良の御所宝湯さんで開催した『旅ふろカード100湯アニバーサリー』では多くの共感を頂き人々に愛される石けんに成長し続けています。
フェニックスの石けん素地
365projectでは石けん素地にも注目し自社で使い分けている3種類の素地「自社素地」、「輸入素地」、「カリ含有素地」の特長を分かりやすく紐解きました。その上で、それぞれの素地の個性がイメージしやすいよう、愛称と人格を付けました。
中でも自社素地はフェニックスらしさを一番感じさせる素地で「皆様石鹸」にも自社素地を使用しています。自社素地は自社工場で中和法を用いて生産しているのですが、最近ではフェニックスが使用している油脂の供給量が激減し価格も高騰しています。自社中和素地は貴重な素地となりつつあります。
自社素地の製法
自社素地は脂肪酸を原料に「中和法」という製法で作っています。脂肪酸と苛性ソーダを中和させニートソープを作ります。工場内は焼きたてパン屋さんにいるような香ばしい香りがします。ここにある昔ながらの設備には先人から引き継がれてきたと思われる石けんに関する貴重なスパイスがあちらこちらに詰め込まれているような気がします。
ニートソープの貯蔵層
連続中和したニートソープが固まらないように熱をかけ流動性のある状態にします。この時の水分は約30%です。時折すごい蒸気がもうもうと立ち上がり、大きな圧力釜を見ているようでとても面白い光景です。
真空乾燥機
均一になったニートソープを真空乾燥機で乾燥させていきます。この時点で水分は18%になっています。乾燥させたニートソープはペレタイザーで回転させながらチップ状の素地にしていきます。ここまでは、まだまだ素地の段階です。この後の工程で専用の大型ミキサーでエキスや香料などの原料を配合し混合していきます。
新たな挑戦
石けんを楽しむために石けん素地の魅力をもっと伝えたい。
石けんの普及活動を行う365projecで生み出した『ラクダの石鹸』。プロトタイプはフェニックスの素地に親しんでいただけるように素地違い3種セットにしました。
3種の素地比べができるとそれに伴う小ロット生産への取り組み。これが開発のキモとなりました。
カリ含有素地は『流星』自社素地は『優月』スタンダード素地は『朝陽』この異なる3種の素地で作った『ラクダの石鹸』で素地比べを体験していただける仕様になっています。
さあここからが本番です!機械練り石けんの設備ではとても難しい小ロット生産。素地違いの石鹸を365個ずつ効率よく作る方法を製造部を交えてシュミレーションとテストを繰り返しました。まだまだ課題は残りますが、小ロット生産に向けてほんの1歩ですが前進した結果となりまた。
ラクダの石鹸とは
フェニックスのルーツとなる清和油脂時代のトレードマーク『ラクダ』をシンボルにした『ラクダの石鹸』はシルクロードを旅するラクダが運ぶいろんな果実や花や油などを盛り込んだ石けんを楽しんでいただけるストーリーに仕立てました。それは例えば『砂漠の中にぽっかりと浮かび上がるオアシスのように乾いた肌にうるおいと安堵を与える石けん』であったり『旅の途中で出会ったミステリアスなフルーツの石けん』であったりします。
『ラクダの石鹸』の刻印はフェニックスが数十年来長期に渡りお世話になってきた職人さんへの最後の注文となりました。精巧で味わい深い手彫の刻印はもう作ってもらえないと思うと寂しいものです。
ラクダミルクを配合(保湿成分)
ラクダとともに旅するキャラバンは砂を渡り移動しながらラクダミルクで水分や栄養を補給すると言います。タンパク質や糖質を含んだ栄養価の高いラクダミルクはキャラバンの貴重な栄養源であり、化粧品では保湿剤として使用できる成分です。
そんなラクダミルクを織り込んだ『ラクダの石鹸』には88星座の名をつけました。
らしんばん ぼうえんきょう ほうおう
それぞれの素地で作った石けんの使用感の違いをお楽しみいただけると思います。
この度の『ラクダの石鹸』とはまた会えるかも知れないし、これっきりかも知れません。
次に『ラクダの石鹸』に会う時はまた別の石けんです。
一期一会。旅先での出会いのように。
クラウドファンディングに挑戦
素地の原材料の供給不足や価格の高騰、金型職人の廃業など石けんを作る環境が年々厳しくなっています。それでもやっぱり石けんを作り続けたい。
石けんの魅力を伝えるためにできる事は何か。
365projectで辿り着いたのは、まずは石けんを使ってもらいたい。洗ってる感触や洗い上がりの爽快感を感じてもらいたい。そして何よりも思うのは石けんの持つ温もりを味わっていただきたいということ。
多くの人やモノやコトへの出会いを求める石鹸普及活動に共感し応援していただけたら幸いです。
クラウドファンディングの申し込みはこちらから。
https://readyfor.jp/projects/sekken365pj